Kurebiten "mirror"

かとう ちかげ ”mirror”

 

【heterotopia-現実の枠組みの中で、日常から断絶した異他なる場所。
ギャラリーの名前にもなっているこの言葉から着想を得て、

...現実世界と鏡の中の世界、
というイメージで制作したリングケース。】

 

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ミシェル・フーコーという哲学者は
鏡について、現実と仮想のお互いに異なる空間を
照らし合わせ仲介する役割を果たしていると述べています。

 

「鏡というのは、結局のところ、ひとつのユートピアである。
それというのは、「場所がない場所」であるからです。
鏡においては、私は、私がいないところに、現実的には、
表面の背後に開かれている非現実的な空間に、私を見ており、
私がいないそこには、一種の影でしかないのだが、
これこそが私自身の可能性を私に与え、私が不在であるところに、

私を見ることを可能にする、まさに、鏡のユートピアである」
と。

 

この理想空間が「ヘテロトピア」

 

私たちが鏡の前に立っていると、私が見えるのですが、
結局使うことはできなくて、また私が動くと
それも変わってきます。

 

鏡張りのリングケース。
その多面にリングが反射し映し出されたようなリング台。
仮想と現実が混ざるというのか、
境界線が薄れてくるような煌めき。

 

素晴らしい作品を
制作していただきました。